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奇飛の追憶の過去自部隊会話ログとか過去の話とかぼちぼちと。
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23期重要会話:虚無に漂う追憶(2)


以下はELCafe様(id:2y27)をお招きしての会話になります。
権利問題の複雑化を避ける為アイコンは当方で作成したのものに固定しております。
――――――――――――――――――――

 刻碑暦998年、10月。時は流れ、巡りも中盤を越える中
 黄金の門があるオーラムの市場は今日も活気を帯びる。

 往来する人々には武器を携帯する者が多く、
 何処かせわしない印象も受ける。
――――――――――――――――――――

──────────────────────
オーラムの市場はいつものように活気に溢れ、

その喧騒の中を歩いて回る少女が一人。

ちょっとは姿を隠した方がよかったのかしら。
…今更だし、いつものことよね。

そ れ よ り も !

いつものお気に入りの紅茶が買えた~♪
ふふんふん~♪

なかなかに上機嫌である。

──────────────────────
うわっ──!
そんな彼女に水を差すかの様に、
人混みに押された誰かが勢いよく背後からぶつかる。

──────────────────────
……お………よ?
ふいの衝撃に前のめりになる。

う~~~…いたい。
いったい何事なのー!
"一応は"敵国の市場であることも忘れ、大きめな声と共に振り返る。



す、すみませ……あ。
やや萎縮しながら謝罪をしかけた少年は
ぶつかった相手の顔を見て目を丸くする。
魔王さん。
"黄色い帽子"を被った彼は、至って真面目にそう呼称した。

──────────────────────
あ、いえいえこちらこそ。
はい、私が魔王です。


……え。

丁寧に会釈するも、違和感に気づいて顔をあげる。

──────────────────────
お久しぶりですね。
その節はお恥ずかしい所をお見せしてしまいましたが。お元気でしたか?
少年は微笑みを浮かべると澱むことなく丁寧な口調でそう問いかけた。
やや見上げる形で対峙した彼の身長は、相手と然程変わらない。

──────────────────────
…ちょ。



……ちょっとまってね。

目の前のいるのはくらりんで、
そのくらりんが話してるのはきっと以前あった不思議な現象のことで、
なんだか雰囲気も違って、身長も伸びた?
私が知ってるくらりんにすごく近い気がするけど、つまりええと…

…どういうことなの?

──────────────────────
困惑した様子の相手に少年は不思議そうに首をかしげる。

 "私"と会うと何か不味い事でもあったでしょうか。
それでしたらここでの出会いは無かった事にしますのでご安心ください。
動揺の理由に思い当たる節は無いらしく、にこやかにそう言う。

──────────────────────
(巡りの認識のズレ…これもその事象の一つ…?)
何かを思い出したように考え込むも、少年の言葉に我に返る。

何もまずいことなんてないわ。
それよりもくらりん。
私を"魔王"と呼ぶってことは前に出会ったことを覚えているのよね?

話しの後半部分を聞いてなかったかのように
興味津々で問いかける。

──────────────────────
ええ。忘れも致しません。
魔王さんの探し人は見つかりましたか。
少年は問いに対し頷き肯定すると軽い口調で問い返す。

──────────────────────
んー、半分みつけたけど半分みつからない。
首をかしげながら、それでもちょっとだけ嬉しそうに笑う。

ところでくらりんは何してるの?
──────────────────────
半分、ですか。
きょとんとした顔でそう返すも深く突っ込む事は無く
続く投げかけに表情を戻した。
ああ。取引が終わったので相場の確認も兼ねて市を回ってるんです。
何度来てもこの国の市は賑わいが凄いですね。
──────────────────────
相場の確認… ふぅん、熱心なのね。

欲しいものがあるかないか、それしか考えてなかったなぁ。
見つけたら欲しいものが買えるまでお金を貯めるの。

えへへ、この制服もそうやって買ったんだよー。
…"此処で"、ではないけれど。
──────────────────────
それ程熱心という訳でも無いですよ。食べていく為に必死なだけなので、
自身が欲しい物を探す方が余程健全だと思います。
少年は軽く笑みを浮かべそう言うと
続く言葉にやや目を見開き反応を示す。
こちらへ来る前の物だったんですか。それは大事にしないといけませんね。
ご存じかもしれませんが、異世界の物は高値で買い取ろうとする方もいますから。
──────────────────────
もちろん大事にしてるよ!

お気に入りのものも、もらったものも、
全部大事な大事なたからもの。

ひょこっと顔を出したうさぴんくを頭の上に乗せると

そういえば…
このうさもどきちゃんも、譲り受けたコなの。

君によく似た、くらりん≪探し人≫に。
──────────────────────

現れた兎の様な不可思議な生き物を少年はその場でまじまじと見つめる。

これはまた随分と可愛らしいですね。
その方は飼育か何かされてる方だったのですか?
──────────────────────
(くらりんが"可愛らしい"って言った。
  確かあのときは"不思議な"ってニュアンスの反応だった気がする。)

意外な反応にきょとんとしながらも答える。

ううん。
なんだか紛れ込んでたみたいで、自分とは関係ないって感じだったよ。

私的には譲り受けたみたいなものだけど。
──────────────────────
そうなんですか。
少年は相槌をうちそう返すと、考え込むように口に手を添え地を見つめる。
世の中には似ている人物が複数居るという話もありますし、
異世界から来た方なら尚の事興味がありますね。

確かその方は部隊を組んでいたと聞きましたが、
それはどのような方々だったのでしょうか。
──────────────────────
似て非なるブリアティルトっていうのもあるみたいだしね!
いくつかの巡りかごとに別のブリアティルトとをつなぐ扉が開くとかなんとか。

くらりんの部隊のみんな?
えーっと、みんなと話したわけじゃないんだけどね。

サマロちゃんはほんわかーって感じで、
カパッサさんはずばーっ!って感じ?

想像以上に説明が下手だった。

──────────────────────
擬音語による説明に少年は目を丸くする。

ほんわか に ずばっと……ですか。
やや困惑気味の彼の肩に、通行人の荷物が当たる。
っと。お話詳しく聞きたいので、少し道を外れましょうか。
お時間はありますか?
──────────────────────
もちろん。
何を隠そう魔王さんは他国の傭兵なので、
表通りは何かと都合悪いのだ、えっへん!

え?隠そうとする気が感じられない?

……確かに!

…という冗談はおいといて…。
この辺の地理はキミの方が詳しいだろうし、ついていくよ。
今目の前にいるくらりんと、
面識のあったくらりんは本当に同じくらりんなのだろうか。
そう考えるうちに、自然と呼び方が変わっていることに気づく様子はなかった。

──────────────────────
異界の魔王さんは傭兵をしていらっしゃったんですね。それは失礼しました。
堂々と振る舞う相手に苦笑しながら先導して行く。
木を隠すなら森の中とは言いますが、見つかる確率も上がってしまいますからね。
自衛が出来るのであればより人目のつかない方へ行きますが……。

魔王さんも部隊のお仲間がいらっしゃるんですか?
──────────────────────
自衛なら任せてよね。
いざとなったらこの自慢の……逃げ足で逃げる!

へいわがいちばーん。
鼻歌交じりでご機嫌な様子だ。

私の部隊はんーっと…最初は二人で立ち上げたの。
いろんな困難を一緒に乗り越えたんだよ!

今は私を含めて四人。
頼りになるおねーちゃん達と、おとーさん…みたいな感じかな。
──────────────────────
逃げ切る力も立派な能力の一つですからね。
くすりと笑いながらそう言うと、大通りから一つ外れた道へと進んで行く。
おねーちゃんとおとーさんという事は、魔王さんは妹的な立ち位置なんですか。
私は一人なので、絆が深い相手がいるというのは羨ましいですね。
──────────────────────
そー言うことになるね。
こっちに来るまでは一人っ子だったし、
ほんとのおとーさんは戦争ばっかりで構ってくれなかった。

だから今が幸せなの。

にこっと笑うと

キミにも出来るよ。 仲間や、大事な人が…ね!

──────────────────────
元の世界でも戦争があったんですね。
少年は話された事情に目を細めそう返すと、
続けて励ますかの様に言う相手につられるように笑う。
そうだと良いんですが。性格なのか、警戒心ばかり強くて人に心を開けないもので。
私に似ているという方も、そのような方だったのでしょうか。
──────────────────────
確かにつかみどころのない性格だったけど…

うーん…と首をかしげる。

でもこの間あったキミよりは、今のキミの方がすごく近いと思う。

──────────────────────
少年は言葉を聞くと丸くした目で相手を見つめ、ゆっくりと足を止めた。

何も変わりないつもりだったのですが、
私に何か変化があったでしょうか。
然程距離は歩いていないものの、路地裏に入った為人通りはほぼ無い。

──────────────────────
あの時よりすごく落ち着いてるよ。

ふと思い出したように口を開く。
そういえばキミは私と会うのはどれくらい振りなんだろう。
──────────────────────
そうなんでしょうか。
相手の返答に思い当たる節が無いのか、首を傾げ視線を上にすると
続けて出された問いに視線を戻す。
半年ぶり位になるかと思いますが、魔王さんの記憶とは違うのでしょうか。
──────────────────────
なんだかもっと経ったように感じるよー。
もしかして私がまったく成長してないだけ?
むー、ショック~~。

(不思議な現象だけど、時の流れは一緒……なのね。)
──────────────────────
起こった出来事が多いと少し前の事も遠くに感じてしまいますから、
それだけ目まぐるしい日々を送っているという事ではないでしょうか。
不安そうな顔をしていた少年は
安堵したのか気が抜けたのか、そう言いながらはにかむ様に笑う。
傭兵の部隊もそれなりの数居るかと思いますが、
探している方々とは何か縁があったのですか?
──────────────────────
あのときはキミだって、
「異世界の魔王が俺に何の用な訳?変な事したら容赦しないからね。」
なーんていってたのに。

思い出したようにくすくす笑う。

前に話したことあったっけ?
私が探している「くらりん」達は、
私がこっちの世界にきて初めて友達になったんだよ。
──────────────────────
少年は相手の台詞を聞くとゆっくりと目を見開く。

それを、私が言ったのですか。
語気は弱く、疑うというよりは寝耳に水といった風である。

成程。初めての友達なんですね。前回お会いした時は少々取り乱していたので
聞きそびれていたかもしれません。
──────────────────────
くらりんは今も元気にしてるのかなー?

空を仰ぐように見上げたかと思うと、急に真面目な表情に変わり

…一つだけ気づいたんだ。
行方不明になるかどうかの法則ってやつ。

──────────────────────
つられるように天を見上げた少年は

雰囲気が変わった相手を横目で見るとゆっくりと顔を下ろす。
法則ですか。
それは、お聞かせいただいても?

──────────────────────
この世界に執着があるかどうか。

結論を端的に述べると、補足するように繋げた。

この世界で傭兵として活躍したいとか、
この世界で大事な人がいるとか、元の世界に戻りたくないとか。

ブリアティルトに居る理由がある人ほど、
そういう行方不明に巻き込まれない気がするの。

……あくまで推測でしかないんだけど。

そこまで言い切ると、少し考え事をするように下唇に指をあてる。
──────────────────────
成程、執着ですか。
目標に向かって進んでいる人は活力がありますし、
そういう意味でも理があるかもしれませんね。
少年は納得する様に頷いてそう返すと数拍置いてから言葉を続ける。
という事は、その方々も執着が無くなってしまったのですか?
──────────────────────
それは違うわ。

少年の方へ向き直るときっぱりと言い切る。

"半分見つけた"って言ったでしょう?
残りの半分は必ず見つけ出す。
──────────────────────
……繋ぎ止める、という事ですね。
真顔でそう言った少年は一転してにこやかな表情を浮かべる。
その方と魔王さんが再会する事に失礼ながら興味が湧いてきました。
私に何かできる事はあるでしょうか。
──────────────────────
こう言っては変な話だけど…
くらりんによく似たキミが手掛かりなの。

だから、私と話したことを忘れないでほしい。

それがどう影響を及ぼすかわからない。
それでもいつかくらりんと再会できることを信じて疑わなかった。
──────────────────────
話した事を忘れない、ですか。
少年はやや目を見開きオウム返しをするとゆっくりと頷く。
前回は取り乱してしまいましたが、
今回は落ち着いて会話が出来たので恐らく大丈夫かと思います。
──────────────────────
ほんとに落ち着いてるよ。

冗談混じりにくすくす笑う。

……だいぶ陽も傾いてきたけれど、大丈夫?
──────────────────────
問いを受け少年が天を見上げると、
先ほどまで青かった空は確かに赤みを帯びはじめている。
そうですね。そろそろ宿に向かわないと暗くなってしまいそうです。
魔王さんはどちらに帰られるのですか?先ほどの所へ一度戻った方が良いですかね。
──────────────────────
私は魔王よー?
夜のフライトはお手の物。

このままセフィドに帰るつもりだから案内はへーきへーき。
──────────────────────
少年は相手の返答に一瞬目を丸くするもすぐににこやかな笑みをたたえる。
成程、魔王さんに心配はご無用でしたか。それは失礼いたしました。

二度あることは三度あると言いますし、またお会いする事もあるかもしれませんね。
話した事はしっかり覚えておきますので、道中お気をつけて。
──────────────────────
遅くまでどうもありがとう。
ふふ …またどこかで、ね。
つられて笑顔になると、手を振り、翼を広げて飛び立つ。


…………

…………

あの時は不安定だったのか、消えちゃったけど
ここまではっきりとお話できたなら…
きっとそのうち、戻ってくるよね?くらりん。

少年の姿が見えなくなるほど高くまで上昇すると、
誰に話すでもなく小さくぽつりと呟いた。
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