奇飛の追憶の過去自部隊会話ログとか過去の話とかぼちぼちと。
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24期初期会話:小さな諍い大きな不安
巡り会話1 チシミア シリール ラック
| 聖国の外れ、とある小さな天幕に複数の人の姿が見える。 隙間から光が差し込む事は無く、人の数に反して辺りは静寂に包まれている。 |
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| 静かな空気を断ち切る様に、バンダナを付けた女が口を開いた。 クラリエントさん、本当に来ないですね。 聖国以外まで飛ばされちゃったんですかね。 |
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| どうかしら。 何にせよ今日の内の合流は望めないでしょうね。 向かいに座っていたローブの女がそれに対しゆっくりと応える。 苛立つ事も無ければ不安の色も無く、あまり関心が無いようにも見える。 |
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| 返答を聞いた女は口を閉ざしたかと思うと 今度は隣にいる男に声をかける。 というか、本当に大丈夫なのその腕は。 |
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| ああ。元通りだな。 これなら剣を振るのも問題無いだろう。 問いを受けた男は右腕を試す様に動かしながら淡々とした口調でそう答える。 |
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| 巡りのお陰なんですかね? 喜んで良いのかちょっと分からないけど……。 |
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| 原因が分からない以上、戦場に出るのは避けた方が良さそうね。 今回は3人に任せる事になるけどいいかしら。 |
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| え?3人ですか? ラックとシリールさんを抜いたら4人でしょう? |
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| 確かに私とラックを引けば4人だけれど。 今の状況じゃもう1人引かなければならないでしょう。 |
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| バンダナの女は相手の言葉を聞き眉をひそめる。 もしかしなくてもそれ、 クラリエントさんの事を言ってるんですか? |
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| 怪訝な表情をする相手に臆する事無くローブの女は話し続ける。 そうよ。もしかしなくても彼しか居ないわ。 ここに来ていない時点で彼をアテにするのはおかしいと思うけれど。 |
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| やや高圧的な女の態度にバンダナの女は更に顔をしかめる。 ちょっと待ってください。 シリールさん、クラリエントさんが来ないと思ってるんですか? |
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| 近くにいる男はどんどん雲行きが怪しくなる会話に気づいていないのか はたまた気付かないフリをしているのか、真顔のままその場で沈黙を続ける。 |
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| 来ないかどうかは分からないけれど。 聖国は久しぶりなのだから、早めに動かないと首を絞められる事になるわよ。 ローブの女は語気を強める相手とは対照的に間を置きながらそう返す。 |
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| それは分かりますけど、せめて2日くらい待ってもいいじゃないですか。 前回だってちょっと離れた所に居たみたいですし、 それくらい待ってからでも遅くないでしょう? 苛立ち始めたバンダナの女はどんどん早口になっていく。 |
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| ローブの女はヒートアップしていく相手につられる様に語気を強めた。 それで来なかったら一体どうするつもりなのかしら。 先に決めておいて後から調整する方が賢明だわ。貴女だって分かるでしょう。 |
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| 来なかったらって、シリールさんそれ本気で言ってるんですか!? 確かに前の終わりはあんまりでしたけど、 勝手に見放すほど責任感の無い人じゃ無いですよ! |
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| 大きくなった会話に反応したのか、隅で寝ている少女が寝返りを打つ。 動きはしたが起きる様子はなく、単に寝相の様だ。 |
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| 少女を見たバンダナの女は声を落としバツが悪そうに口を開く。 とにかく、クラリエントさんが来ないとは思えません。 決めておくのは良いですけど、ちゃんとその方向で考えてくださいよ。 |
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| 同じく少女の様子を見ていたローブの女は落ち着きを取り戻し返答する。 そう。別に賛同が得られるとは思っていないわ。 私も当たらないで欲しいと思っているもの。 |
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| ……何の話ですか? バンダナの女は今度は不可解そうに眉をひそめた。 |
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| タイミングを見計らっていたのか、 黙っていた男が話を止める様に声を発する。 今日来ないんだったらもう寝た方が良いんじゃないか。 |
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| ああ、そうですね。 誰か1人ここに残った方が良いですけど、どうします? 女は話が変わる事に特に不快感も示さず明るい調子でそう返す。 |
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| 私が残るわ。 見張りは適当に交代する様に言っておいてちょうだい。 |
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| 分かりました。それじゃあまた明日。 そう言うと、バンダナの女は物音を立てない様に ゆっくりと天幕を後にした。 |
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| 女が姿を消したのを見て、茶髪の男は残った女に話しかける。 来なかったら誰がリーダーをやるんだ? |
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| 問いを受けた女は目を見開き口を開く。 驚いたわ。あなた空気が読めたのね。 |
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| 迷ったんだが。 やっぱりあの場で言うのはマズかったか。 失礼な発言は気にも留めず、男は淡々とそう返す。 |
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| 言わない選択肢が出ただけマシだわ。 この状況では彼女以外に無いでしょうね。 |
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| カパッサは無理なのか。 | |
| 彼の代わりなんて受けてくれないに決まってるでしょう。 それとも彼女がやるのは何か問題でもあるのかしら。 |
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| いや?そう言う訳じゃ無いが。 どうなるのかと思っただけだ。 |
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| そう。あなたの事だもの、 本当に他意は無いのでしょうね。 |
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| ああ。何か問題があったら悪い。 謝罪の言葉を口にしながらも特に悪びれる様子は無い。 |
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| 別にいいわ。 女は心のこもっていない謝罪に同じく感情のこもっていない言葉を返すと しばし間を空けてから独りごちる様に言葉を発した。 ねえ、あなたはどうなると思っているの。 |
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| 記憶の事か? そうなっても可笑しくは無いと思うが。 主語のはっきりしない問いに、男は同じく意味が判然としない答えを返す。 |
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| それを聞いた女は再度目を見開くと 信じられないといった様子で相手をまじまじと見つめる。 あなた本当にあのラックなの? |
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| 悪い。何かマズかったか。 男は相も変わらず淡々とそう返す。 |
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| いえ、良いわ。 そうね。サマロが成長しているんだもの。あなたも成長するのよね。 |
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| 何の事だか分からないが。 ひとまず今日はこれでいいんだな? |
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| ええ、そうね。 引き止めて悪かったわ。 |
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| そうか。 男は短くそう返すと天幕を後にした。 |
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| 残された女はその姿をゆっくり見送ると視線を正面へと戻し 暫くそのまま思案するのであった。 |
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