奇飛の追憶の過去自部隊会話ログとか過去の話とかぼちぼちと。
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16期初期会話:ラックとクラリエント 灰色の男
| これから再生される物語は、ここにいる彼らに繋がる さして遠くない過去の会話である。 |
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| 天幕の外に剣を携えた男が何をするでも無く一人佇んでいる。 その表情は真顔であったが、何かを思案している様にも見えた。 |
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| 天幕の中から別の男が出てくると、佇む男を見つけ声をかけた。 ラック、長時間の見張りご苦労様です。 そろそろ交代になりますので中にどうぞ。 |
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| 茶髪の男は投げかけられた言葉に対しての反応は見せず 地面を見つめたまま訝しげに口を開いた。 なあ。今、灰色の男を見なかったか? |
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| いえ、私は先程まで天幕に居たので見てませんが。 どなたか来客がいらっしゃったのですか? |
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| いや、ここでじゃないんだ。 夢なのか分からないが、さっきまで灰色の男と会っていた。 |
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| 目の前の仲間の発言に金髪の男は怪訝な顔をすると 思案するように利き手を口元に添えた。 まさか寝ていたわけではないのですよね? 白昼夢でも見ていたのですか? |
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| 白昼夢なのか、アレは。 男はようやく会話の相手と視線を合わせると、 驚きも焦りも滲ませない声で淡々とそう言った。 |
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| あなたが白昼夢、ですか。 ……何だかいつしかと立場が逆ですね。 |
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| いつしか? 似たような事が前にあったのか? |
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え……。 男は驚いた表情を見せるとすぐに眼を逸らし、焦りの色を浮べた。 口をついて出たもののどうやら自身にも思い当たる節が無いらしく、 途端に余裕の無い表情に変わっていく。 |
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| いつ、でしょう。 確かにあったと思ったのですが、はっきりとは……。 変、ですね……。 |
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| 悪い。混乱させるつもりは無かったんだ。忘れてくれ。 茶髪の男は動揺し始めた目の前の人物に対しての心配も見せず 軽い出来事であったかの様にそう言った。 |
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| いえ……。 金髪の男は辛うじてそう返答したものの表情を変える事は無く、 地面を見つめたまま押し黙ってしまった。 |
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| 見張りは俺が続けておくか? | |
| ……ええ。すみません。 少し、休んだ方が良いようです。 |
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| ああ。 何かあったら声を掛けてくれ。 |
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| 金髪の男は茶髪の男に背を向け天幕へと歩くも 数歩した所で歩みを止めた。 ……。あなたが言うのなら……。 事実、なのかもしれません。 |
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| ……。 男はゆっくりと相手の背を見ると、 視線を戻し淡々と返答する。 クラリエントがそう思うんなら、そうなんだろう。 俺はただそんな夢を見たような気がしただけだからな。 |
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| ええ……。 すみませんが、宜しくお願いしますよ。 金髪の男は先程より幾許か落ち着きを取り戻しながらそう言うと、 元の天幕へと戻って行った。 |
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| そうして残された男はまた遠くを見つめたが、 先程のような悩ましげな雰囲気を発する事は無かった。 |
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